雨水(うすい)/こよみと健康その2
2024.02.19 こよみと健康
雨水(2024.2.19~2024.3.4)
雨水は「うすい」と読み、寒さが少しずつやわらぎ、降っていた雪が雨に変わり、雪や氷が解け始めるという意味です。大地が潤い、草木が芽生え始める季節ですね。
【季節の養生】
前回挙げた三寒四温という言葉の通り、今年はすでに4月並みの気温の日があったり、日中の気温差10℃以上が続いたりと、かなり寒暖差が激しいですね。外出する際は調整できる服装を心がけて寒暖差に備えましょう。
そしてついにスギ花粉が本格的に飛ぶ季節になりました。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがこの時期出るのであれば、お薬などで花粉症の対策をすることで少し楽になるかもしれません。おかしいなと思ったら早めの受診がおすすめです。
【ミニ漢方講座その1】
漢方薬には症状だけではなく、その人の体質や季節によっても見極めていく奥の深さがあります。すべての人におすすめとなかなか言えないのですが、代表的な漢方薬を紹介していきます。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
花粉症や風邪で水のような鼻水がずっと垂れ続けるといった方におすすめで、水様の痰や咳が出る時にも使います。体を温めて、水分代謝をよくし、体内のバランスを治すイメージの薬で、体を温める成分として桂皮(けいひ)や乾姜(しょうが)が入っています。まだまだ冷えが気になる方は、桂皮の仲間であるシナモンや生姜など食べ物として取り入れてみるのもいいですね。
ちなみに、麻黄、甘草という人によって少し注意が必要な生薬が含まれるので基本的に医師や薬剤師など専門家に相談して使ってください。
【季節のできごと】
春一番(はるいちばん)
立春から春分までの間に吹く暖かい南寄りの強い風のことで、日本の中でも地域によっても観測がなかったり、少しずつ定義が異なったりします。今年はすでに昨年より14日早い2/15に関東地方で観測されたと気象庁から発表がありました。
積乱雲が発達して竜巻や突風なども引き起こすため、漁師の人たちが警戒していたことが由来です。春一番が吹いた日はあたたかい風が吹いて気温が上がりますが、実は次の日は冷たい空気が入ってくることが多いとのこと。春を感じさせる便りの一つですが、強い風や寒暖差など注意してくださいね。
ひな祭り
3/3は女の子の誕生を祝い、健やかな健康を祈るひな祭りの日として有名ですね。
正式名称は上巳(じょうし)の節句または別名、桃の節句ともいわれ中国から伝わってきた五節句の一つです。3/3のほか5/5の端午の節句、7/7の七夕の節句など奇数が重なる日は特別な日とされ、現在でも季節を感じる行事が行われています。
ひな飾りの飾りはじめは地域によって少しずつ異なりますが、雨水に飾ると良いとされている言い伝えもあるようです。当日にちらし寿司やはまぐりのお吸い物、ひなあられなどを楽しむのも良いですね。
(薬剤師・国際中医専門員 飯沼)