小満(しょうまん)/こよみと健康その8
2024.05.20 こよみと健康
小満(しょうまん)(2024.5.20~2024.6.04)
小満は、植物や動物などのありとあらゆる生き物が次第に成長し、天地に満ち始める頃という意味です。
【季節の養生】
梅雨前の過ごしやすい初夏の季節ですね。新しい環境にも慣れて、日々活動的に過ごされている方も多いのではないでしょうか。忙しすぎて睡眠や食事がおろそかになると、気が不足して疲れやすくなり、これからの時期の夏バテにもつながるので注意が必要です。
小満は陽気に満ちる季節とされているので、日光浴もおすすめです。紫外線での肌の負担を考慮すると、日焼け止めを塗るのなどの対策も必要ですが、太陽に背中を向けて首から腰にかけて太陽のエネルギーを感じながら光を浴びぼーっと一息ついてみてください。
ホタテやしらす、ソラマメやアスパラガスなどこの時期から美味しくなる食材も薬膳的に体を元気にするものが多いので、ぜひ美味しいものを楽しみながらこれからの梅雨や夏に備えてくださいね。
【ミニ漢方講座その4】
漢方薬には症状だけではなく、その人の体質や季節によっても見極めていく奥の深さがあります。すべての人におすすめとなかなか言えないのですが、代表的な漢方薬を紹介していきます。
五苓散(ごれいさん)
むくみや頭痛、吐き気、下痢などに使われる薬で二日酔い対策にも人気の漢方薬です。
体の中の水分代謝が滞り、うまく巡らなくなって起こる体のだるさを、消化機能や利水作用を回復させることにより改善するイメージのお薬です。雨の前日につらくなる頭痛にも効果的というデータもあるので、特にこれからの時期にうまく活用できそうです。
名前の通り5種の生薬が組み合わさっており、シナモンの仲間の桂皮が含まれているので、どちらかというと冷えた胃腸を温めるタイプです。どの薬もですが、体質やアレルギーなどそれぞれ個人差があるので基本的に医師や薬剤師など専門家に相談して使ってください。
【季節のできごと】
衣替え
衣替えは季節の推移に応じて衣服を替えることで、中国から伝わり、宮中行事として平安時代から行われていた行事です。地域差はありますが、現代でも6月1日からは夏服へ、10月1日からは冬服へ制服を切り替える学校が多いですね。
すでにかなり気温が高い日もあるので、人によっては徐々に切り替えをしてもう夏服を活用しているといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。衣替えは湿度の低い晴れた日に行うのが最適なので、ぜひ梅雨のシーズンが始まる前に済ませるのがお勧めです。
(薬剤師・国際中医専門員 飯沼)