夏至(げし)/こよみと健康その10
2024.06.21 こよみと健康
夏至(げし)(2024.6.21~2024.7.5)
1年の中で最も昼が長く、夜が短いときで、陽気がピークに達する季節です。
【季節の養生】
今年の梅雨入りはかなり遅めのようですが、雨が気になる季節になりました。
雨というと急激な豪雨による災害のおそれや、低気圧や高い湿度による頭痛や体のだるさなど、憂うつなイメージが多いですね。これからは暑さとともに湿度も高い日が続きます。高い湿度は体にも負担になるため、夏の時期の室内の湿度は50-60%程度に保つのがおすすめです。除湿器や傘や長靴、レインコートなどお気に入りの雨対策グッズ見つけて、これからのシーズンを楽しく乗り切っていきたいですね。
マイナスイメージの強い雨ですが、実は「雨の音」はリラックスやストレス軽減の効果があると言われています。安眠にも良いとされアプリやCDなどヒーリング音楽としても人気のようです。ぜひこの時期は、実際の雨の音のリズムやテンポに耳を澄ませる時間をつくってみてください。
【季節のできごと】
夏至祭り
夏至の日はフィンランドやスウェーデンなどの北欧やイギリスのストーンヘンジなど世界各地で様々な祭りがおこなわれます。太陽の動きを観測していたと推測される遺跡は様々な場所であり、日が一番長いときというのは、昔から時の区切りの目安となっていたようです。
ちなみに日本でも三重県の伊勢市にある二見興玉(ふたみおきたま)神社で夏至祭りが毎年行われており、ちょうどこの時期は、海に浮かぶ「夫婦岩」の間から昇る朝日が拝めるとのこと。いつか見てみたい景色の一つです。
夏越しの祓(なごしのはらえ)
夏越の祓は毎年6月30日に日本の各地の神社で行われる神事です。半年分の穢れや厄を払い、残り半年分の無病息災を祈ります。
この時期ならではの食べ物として「水無月(みなづき)」という、ういろうに小豆を載せた三角形の和菓子があります。6月の旧暦名が由来の京都の伝統菓子で、三角形は氷をモチーフにしており小豆は邪気払いという意味があります。店頭に並ぶ期間は限られているようなので、ぜひこの時期ならでは和菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(薬剤師・国際中医専門員 飯沼)