大暑(たいしょ)/こよみと健康その12
2024.07.22 こよみと健康
大暑(たいしょ)(2024.7.22~2024.8.6)
梅雨が明け、夏休みに入りまさに夏本番!1年で最も暑い時期です。
【季節の養生】
熱中症警戒アラートが連日出るなどにかく暑い日が続きますね。
「暑気払い(しょきばらい)」という言葉は聞いたことありますか?これは前回紹介した「暑邪(しょじゃ)」によって体にこもってしまった熱を払い元気に過ごすために、海水浴や水浴び、スイカやトマトなどの夏野菜を摂る、打ち水をするなどの暑さに負けないための工夫を楽しむことです。
この時期の会社などの飲み会も暑気払いと呼んで企画されたりしますよね。ビアガーデンや冷たいビールなどがおなじみですが、中医学では冷たい飲み物や食べ物は胃腸を冷やし、動きを鈍くし夏バテの原因と考えられているので摂りすぎにはちょっと注意が必要です。
現代ではレジャーとしてお馴染みの海水浴ですが、もとは皮膚の洗浄や、新陳代謝の促進、自律神経の促進などを期待した医療行為だったようです。確かに適度に楽しめば体にも良い影響を与えてくれそうです。
熱中症にも注意が必要ですが、今年は新型コロナや手足口病なども流行っています。おかしいなと思ったら無理しないで休むこと、早めの受診も心がけてくださいね。
【季節のできごと】
夏の土用(どよう)
土用とは季節の変わり目の目安となる雑節の1つで、立春、立夏、立秋、立冬の直前のそれぞれ約18日間のことを指します。今年の夏の土用は7/19~8/6にあたります。
土用の期間は五臓の中の脾(ひ)、現代でいう胃腸に負担がかかる季節と言われており、季節の変わり目でもあるので体調管理にいつも以上に気を付ける必要があります。
土用の丑(うし)の日はといえばウナギのイメージが強いのではないでしょうか。もともと「丑の日に「う」からはじまる食べ物を食べると夏負けしない」という風習からヒントを得て江戸時代の後期に平賀源内(ひらがげんない)がウナギ屋さんにアドバイスして広まったという説が有力のようです。
今年の土用の丑の日は実は7月24日と8月5日の2回あります。「う」からはじまる食べ物としてウナギだけでなく梅干やうどん、また旬となる土用しじみなど食べるのもおすすめです。
花火大会
夏の風物詩と言えば打ち上げ花火、夜空に丸く浮かぶ大輪の華、大きな音とその余韻、火薬のにおいは夏の印象的な思い出となる行事の1つですね。
花火大会の元祖は、いまも隅田川花火大会として受け継がれている江戸時代の「両国の川開き」の説が有力です。大飢饉や疫病の犠牲となった人々の慰霊と悪疫退散を祈って、幕府(8代将軍 徳川吉宗)が催した水神祭に続き、両国橋周辺の料理屋が公許(許可)により花火を上げたことが由来とされています。
もちろん夏祭りを盛り上げるというのも大きな要素ですが、各地の花火大会でも先祖の供養の意味で打ち上げられているところも多く、花火の特徴や楽しみ方は日本ならではと言えそうです。
(薬剤師・国際中医専門員 飯沼)