立秋(りっしゅう)/こよみと健康その13
2024.08.07 こよみと健康
立秋(りっしゅう)(2024.8.7~2024.8.21)
暦の上では秋の始まりです。立秋以降の暑さは残暑(ざんしょ)と呼びます。
【季節の養生】
暦の上では秋のスタートとはいえ、実際にはまさに真夏といった感じですね。今年も残暑はなかなか厳しくなりそうです。
まだまだ暑いですが、季節の養生は早めにしておくのがポイントです。秋は乾燥の季節と言われています。乾燥はもちろん、暑さでも体内の潤いは消耗されやすいので、夏野菜や果物に続き8月下旬頃から旬を迎える梨などで、潤いを摂りこれからの時期に備えるのがお勧めです。
また暑さ対策としてこの時期大活躍のエアコンですが、外との気温差や冷え過ぎで体の負担を感じている人もいるのではないでしょうか。正式な病名ではないのですが、室内と外の気温差によって自律神経が乱れ、足腰の冷え、疲労感、頭痛、神経痛などの症状が出ることを冷房病(クーラー病)と呼びます。
対策として風が直接当たらないようにすること、冷房温度を下げすぎないようにすること、また適度な入浴や軽い運動などで体を温め、自律神経のバランスを整えることなどが挙げられます。活動量や個人によってそれぞれ体感温度も変わるので、薄いカーディガンやひざ掛けなどを適宜活用するのも良いですね。
【ミニ漢方講座その6】
漢方薬には症状だけではなく、その人の体質や季節によっても見極めていく奥の深さがあります。すべての人におすすめとなかなか言えないのですが、代表的な漢方薬を紹介していきます。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
体の中に熱がこもり、口の乾燥、渇き、熱感などの症状がある時に使う薬です。まさに夏バテで熱中症の手前といった症状ですね。体内の熱を冷まし、胃腸に潤いを与える「白虎湯」という元の処方にさらに胃腸を元気にする人参を加えたものです。
どの薬もですが、体質やアレルギーなどそれぞれ個人差があるので基本的に医師や薬剤師など専門家に相談して使ってくださいね。
ちなみにスイカは「西瓜(せいか)」という名前で「天然の白虎湯」と言われ、体の中の熱と余分な水分を取り除くほか、口の渇きや体を潤す作用があると言われています。二日酔いにも良いとのこと。食べすぎには注意ですが、スーパーでも多く出回る時期なのでぜひ上手く活用してみてください。
【季節のできごと】
お盆(おぼん)
お盆は日本の夏に先祖の霊を家に迎えて供養して過ごし、送り出す行事のことです。
地域によって変わることがありますが、一般的には8月13日が迎え盆、14日15日が中日、16日が送り盆となります。お盆の言葉の由来は、仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」で、日本古来の夏に祖先の霊を供養する習慣と仏教の考え方が混ざって独特の風習になったようです。
「盆踊り」はお迎えした先祖の霊を送り出す行事なのでまさにこの時期に行われます。お盆休みとして長期連休になることも多く、今年は9連休となる方もいるようですね。様々なイベントがある時期なのでお出かけしたり、家族で帰省したり、親せきで集まったりとそれぞれ楽しく過してください。
(薬剤師・国際中医専門員 飯沼)