白露(はくろ)/こよみと健康その15
2024.09.07 こよみと健康
白露(はくろ)(2024.9.7~2024.9.21)
朝晩の気温がぐっと下がると空気中の水蒸気が冷やされて、草木の葉先に水滴(露)がつきます。白露とは草木の露が太陽の光に反射してキラキラと白く輝く様子を示す言葉です。
【季節の養生】
9月に入り急に随分と過ごしやすい気持ちのいい気候の日も出てきましたね。
秋になると気分が落ち込みやすいという方も増えるようです。前回も少し触れた五行説で「秋」は「収穫」の季節、また感情としては「悲しみ」が対応するといわれています。できないことを思い嘆いたり焦ったりするのではなく、これまでで出来たこと楽しかったこと、小さなことでも嬉しかったことなどを見つけられるように振り返ってみるのがおすすめです。
季節の変わり目となるので、気温差や急な温度の低下による咳や呼吸器系のトラブルが出たり、秋の花粉によるアレルギー症状が出始めたりする方もいるのではないでしょうか。立秋の時も挙げた通り、秋の養生は乾燥対策が重要です。しっかり喉のケアや、肌の保湿など体の外からの対策とともに、梨やぶとう、栗など旬の秋の味覚を楽しみながら食べ物からの潤い補給もできると良いですね。
【季節のできごと】
重陽(ちょうよう)の節句
9月9日に行われる五節句の一つで、別名は菊の節句です。中国では奇数のことを陽数と言い、縁起がいいとされており、奇数が重なる日が特別な日とされています。
菊の節句という言葉の通り、菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりして長寿や無病息災を願います。
菊の花は香りが邪気を払い厄除けの効果があるとされるほか、菊花(きくか)という名で漢方薬にも使われることもあり、ほてった熱を落ち着かせたり、目をすっきりさせたりする効果があると言われています。菊の花といえば、カモミールもキク科の花なのでカモミールティーをぜひこの時期楽しんでみてください。
十五夜(じゅうごや)
十五夜は旧暦の8月15日に見える満月のこと指します。「中秋(ちゅうしゅう)の名月」ともいわれ、今年は9月17日になります。
日本では月見だんごとススキが定番ですね。近年では月見バーガーや月見丼など色々美味しそうな月見商品を見かけることが多くなりました。
中国では「中秋節」という名で祝日となり、家族が集まり、お月見を楽しみながら団らんする日のようです。この時期なると月餅(げっぺい)という、丸くて平たい形が特徴の餡を薄い生地で包んだお菓子が沢山出回ります。餡の種類は小豆のほかはずの実や木の実が混ざったものなどいろいろあるので好みのものを見つけるのも楽しいですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)