寒露(かんろ)/こよみと健康その17
2024.10.08 こよみと健康
寒露(かんろ)(2024.10.8~2024.10.22)
朝晩の冷え込みがきつくなり、草木に冷たい露が降りる時期です。日中は空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。
【季節の養生】
秋も後半となりましたね。暑さが残る秋の前半の温燥(おんそう)に対して後半はだんだんと気温が下がり空気も乾燥してくるのを涼燥(りょうそう)といいます。
秋は乾燥に注意!とお話してきましたが、まさに空気も乾燥してくる時期になりました。肌や目の乾燥、喉の違和感などの症状が気になる方も多くなってくるのではないでしょうか。漢方では体の中も外の環境に影響して変化していくと考えられており、この時期は潤いや元気が不足するという方が多くなります。例えば便秘もこの時期に起こりやすいと考えられる症状です。
対策としてはそれぞれこまめな保湿など潤いを保つことを心がけることが大切です。潤いを補う薬膳として中医学の先生に、黒ゴマと松の実、クルミをすり混ぜてはちみつと一緒に毎日食べると良いよと教えてもらったことがあります。便秘対策のほか、肌や髪のつやなどの潤い対策にもなるとのこと。なにより美味しいのでよかったらぜひ試してみてください。
【季節のできごと】
スポーツの日
10月の第二月曜日(2024年は10月14日)はスポーツの日として祝日になっています。
令和2年(2020年)から「スポーツの日」という名称になりましたが、以前の「体育の日」という方が馴染みあるという方も多いと思います。元は1964年の日本で初めてのオリンピックである東京オリンピックの開会式(10月10日)を記念して1966年から国民の祝日として制定された日です。「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」ことを趣旨として制定されており、運動会や体育祭などスポーツイベントの思い出がある方も多いのではないでしょうか。ちなみに元の10月10日はオリンピック会場となった東京周辺の秋雨前線が去り、晴れの特異日であったとのこと。今年のスポーツの日も晴れると良いですね。
初雁(はつかり)
初雁はこの時期に越冬のために北から南にわたってくる雁(かり)のことを指します。雁(かり)はガンとも呼ばれ物語にもよく登場する人々に親しまれてきた鳥です。俳句などでも使われる晩秋の季語となっており、和菓子でもこの時期になると「初雁」をモチーフにしたものが登場します。昔の人も雁が連なって飛んでいるのを見たり、空模様を見上げたりしながら季節の移り変わりを感じていたのかもしれませんね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)