霜降(そうこう)/こよみと健康その18
2024.10.23 こよみと健康
霜降(そうこう)(2024.10.23~2024.11.6)
街中で金木犀の香りを感じるようになりましたね。霜降は霜が降りはじめるという意味で、朝晩がぐっと冷え込む時期です。
【季節の養生】
ついに秋の最後の時節になりました。日中と朝晩の寒暖差が激しく、服装もなかなか対応が難しいためストールやカーディガン、上着など時間によって工夫されている方も多いのではないでしょうか。漢方で秋は肺に関する疾患が要注意とされており、乾燥対策としての加湿や深呼吸を心がけること、そしてよく食べてしっかり寝ることが大事とされています。寒い冬に備えて旬となるキノコや秋鮭、さつまいもなどぜひ楽しんでください。ただでさえ風邪に要注意な時期ですが、今年はマイコプラズマ肺炎の流行、更にインフルエンザも徐々に増えてきているようです。手洗いやマスクの着用、そして体調がすぐれないときは無理せずに早めの受診も心がけてくださいね。
【季節のできごと】
ハロウィン
ハロウィンは10月31日に行われるお祭りです。かぼちゃのランタンや仮装行列など日本でもかなりおなじみのイベントとなりましたね。
名前はキリスト教の万聖節(すべての聖人を祝う日)の前日という意味の「All Hallows Eve」が由来で、ヨーロッパの収穫祭や悪霊を追い払うといった行事と融合して今の形になったようです。
ちなみに「トリック・オア・トリート!」と子供たちが仮装してお菓子をねだったり、「かぶ」をくり抜いたランタンが「かぼちゃ」に変わったりしたのはアメリカに伝わってからの風習です。仮装は元々悪霊を追い払う意味合いで魔よけの焚火とともに行っていたとのこと。それぞれの国で少しずつ楽しみ方が違っているのも面白いですね。
亥の子(いのこ)
亥の子は旧暦10月(亥の月)の最初の亥の日のことです。そもそも亥の子とはイノシシのこどものことで「うりぼー」といった呼び方でも親しまれていますね。現代では新暦11月の最初亥の日が採用され、今年は2024年11月7日になります。茶道をたしなまれる方は炉開きをする日としてお馴染みなのではないでしょうか。
この時期に和菓子屋さんに並ぶ亥の子餅は亥の日の亥の刻に食べる行事食でイノシシの多産にあやかって子孫繁栄、無病息災などを願いが込められています。また「亥」は五行説で「水」にあたるため、これからの季節に火事にならないように願いを込めてコタツや囲炉裏に火を入れる意味があると言われています。冬支度を始める目安となる日ですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)