小雪(しょうせつ)/こよみと健康その20
2024.11.22 こよみと健康
小雪(しょうせつ)(2024.11.22~2024.12.6)
地域によって雪が散り始める時期です。今年は早めに降り始めている地域が多いみたいですね。
【季節の養生】
寒さを感じる季節になりました。暖房器具を使い始めたという方も多いのではないでしょうか。
「寒さ」は中医学で「寒邪」と言われ、気血の巡りを悪くし、腰痛や関節痛などの痛みの原因になったり、胃腸の動きを鈍くしたりするなどの影響を及ぼすと言われています。
冬の養生のポイントは前回も書いた通り「寒さ」対策で、なるべく体を冷やさないこと。古典でも「寒さ」から身を守るため日が昇ってから起きる「早寝、遅起き」がいいとされています。普段から早起きをしている方はエアコンなどを活用し、なるべく部屋が暖まっている状態で起きるのがお勧めです。また急な寒さで筋肉がこわばりやすい季節なので室内で適度なストレッチや筋トレなどをして筋肉を緩めたり温めたりするのも良いですね。
今年はコロナやマイコプラズマ、インフルエンザの後もしばらく咳が続いて辛いという方が多いようです。杏仁豆腐に含まれている杏仁(きょうにん)は中医学では咳を止めたり、便秘を改善したりする作用があると言われ漢方薬にも使われている生薬です。中華料理のデザートの定番ですが咳や便秘などに悩まれる方にもおすすめです。また、のど飴などでもおなじみの蜂蜜(はちみつ)も咳や便秘などのほか、乾燥対策、疲労回復にも有効と言われており今の時期にぴったりです。
【季節のできごと】
勤労感謝の日
11月23日は勤労感謝の日です。この日は「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」ことを趣旨とした祝日として設定されています。
日本では古くから「新嘗祭(にいなめさい)」という行事が宮中や全国の神社で行われており、「新嘗」はその年に収穫された穀物を神様に奉納して恵に感謝し、口にすることを表しています。
アメリカでも11月の第四木曜日(2024年は11月28日)は「Thanksgiving Day」という祝日で収穫を祝い家族や友人と夕食を楽しむ日として設定されています。この時期に農作物の収穫を祝い感謝するのは様々な国で共通している文化ということで親しみが湧きますね。
酉の市(とりのいち)
酉の市は11月の酉の日に鷲(おおとり)や酉(とり)にちなむお寺や神社で行われる、開運招福、商売繁盛を願うお祭りで、主に関東を中心に江戸時代から続く年中行事です。
酉の日は12日ごとにめぐってくるため、年によって2度か3度行われ、今年は11月5日「一の酉」、11月17日「二の酉」、11月29日「三の酉」と3度行われます。
酉の市の縁起物が沢山ついた熊手を見る年の瀬が近づいてくるのを感じますね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)