小寒(しょうかん)/こよみと健康その23
2025.01.05 こよみと健康
小寒(しょうかん)(2025.1.5~2025.1.19)
「寒の入り」と呼ばれ寒さが厳しくなっていく季節です。これから次の大寒が終わるまでが寒さがもっとも厳しい季節といわれています。
【季節の養生】
あけましておめでとうございます。年末年始、家でゆっくり過ごされた方、旅行やイベントなどに行かれた方、お仕事を頑張られていた方、様々な方がいらっしゃると思います。新しい1年がよい年になると良いですね。
年明けのこの時期は年末年始のイベントで普段より食べ過ぎや飲みすぎてしまったという方も多いのではないでしょうか。胃腸に負担がかかると、胃もたれや食欲不振などの不調も出やすくなります。胃腸が疲れているときは無理して食べるのではなく小食にしてまず胃腸を休ませることを心がけましょう。おかゆや野菜スープなど温かい消化の良いものがお勧めです。
【季節のできごと】
人日(じんじつ)の節句
1月7日は5節句の1つである人日(じんじつ)の節句です。人日の節句は七草の節句とも言い、1月7日の朝は七草が入ったおかゆを食べて、1年の無病息災を祈る習慣があります。
七草は早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うと言われており、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ春の七草」と、呪文のように覚えた方も多いのではないでしょうか。
「すずな」は「かぶ」、「すずしろ」は「大根」のことでどちらも薬膳的に胃腸の働きを助けると言われているほか、「なずな」や「はこべら」には体内のデトックス効果、またビタミンやミネラルなど冬に不足しがちな栄養素も補給することができると言われています。胃腸が疲れ気味となってしまっている人にはまさに最適な食べ物です。現代でもスーパーなどに七草粥セットや、フリーズドライのものなどが売られているのを見かけるので活用するのも良いですね。
鏡開き(かがみびらき)
鏡開きは、正月に供えた鏡餅を下げて食べる行事です。関東を中心とした地域では松の内が1月7日までなので、1月11日、また1月15日までが松の内の地域は1月20日に行われることが多いようです。
鏡開きでは刃物で餅を切ることを避け、手や木づちで割り、割って小さくなった鏡餅はお汁粉やお雑煮などにして食べ1年の無病息災を祈ります。割れたお餅を揚げて塩やしょうゆをまぶした出来立てのかきもちもおいしいですよね。お正月に区切りをつけて新しい1年の始まりを改めて感じながらお汁粉やかきもちを楽しんでください。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)