大寒(だいかん)/こよみと健康その24
2025.01.20 こよみと健康
大寒(だいかん)(2025.1.20~2025.2.2)
ついに最後の24番目の節気になりました。1年のうちで最も寒さが厳しい時期です。
【季節の養生】
今シーズンはインフルエンザがかなり流行していますね。昨年の12月後半から今でも全国的に警報級の感染状況が続いています。インフルエンザの予防には「手洗い」と「マスクを含む咳エチケット」が有効です。インフルエンザウイルスは直接飛沫を浴びることのほか、指先、指の間、親指、手の甲などを介して口や鼻、目の粘膜に触れることで感染します。外出後や食事前などこまめにしっかりと手洗いすること、また咳やくしゃみの症状がある時はマスク、ティッシュ、ハンカチ、そでなどで鼻と口を覆うことを心がけるほか、できるだけ外出を控えしっかり休息することが大切です。
また今年はごくわずかではあるもののすでに花粉の飛散が観測されているようです。例年よりも早めの花粉症対策を心がけましょう。
寒さが最も厳しい季節ですが、この時期に汲み取られた水は良好な水質で美味しいため「寒の水」といい、味噌や醤油、酒造りなどで「寒仕込み」をするのに重宝されてきました。また魚介類の「ぶり」や「さば」、「さわら」や「しじみ」なども美味しくなる季節です。旬の栄養のあるものを食べてこの時期を乗り越えましょう。
【季節のできごと】
大寒卵(だいかんたまご)
大寒卵は大寒の初日に生まれた鶏の卵のことで、2025年は1月20日に生まれた卵になります。
現代では1年のいつでも卵が食べられるようになっていますが、鶏は本来冬に卵を産まないためこの時期の卵は大変貴重なものでした。寒さに備えて栄養を蓄えており栄養価も高いため「健康運」や「無病息災」、また黄色い黄身が濃くなることから「金運アップ」などの縁起物として親しまれてきたようです。大寒卵を使った卵焼きや茶巾ずしなどの卵料理が並ぶお店もあるので意識してのぞいてみてはいかがでしょうか。
節分
2025年の節分は2月2日で恵方は「西南西やや西」になります。昨年も紹介しましたが節分は季節の始まりの前日を指す言葉で、近年では特に立春の先日を指す言葉として使われています。2月3日のイメージが強いですが、国立天文台で設定された二十四節気の立春に沿って決められるため、2021年に124年ぶりに2月2日となり今後も数年に一度は2月2日となることがあるようです。豆まきや恵方巻などを楽しんでぜひ新しい立春からの無病息災を祈ってくださいね。
二十四節気について1年かけてご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。記事を通して季節の移り変わりを一緒に楽しんでいただき、日々の養生のお役にも立てていればとても嬉しいです。1年間お読みいただきありがとうございました。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)