2025立春(りっしゅん)/こよみと健康その25
2025.02.03 こよみと健康
2025立春(2025.2.3~2025.2.17)
二十四節気でも新しい1年が始まりましたね。また1年よろしくお願いいたします!
【季節の養生】
寒さのピークを越えてだんだんと「陽気」が満ちていく季節です。とはいえ今年は本格的な寒波でしばらく厳しい寒さが続きそうです。花粉症の原因の1つであるスギ花粉が徐々に飛び始める時期でもあります。花粉症は花粉に対するアレルギー反応でくしゃみや鼻水、目のかゆみやのどの違和感などの症状が出てくる疾患です。関東地方のスギ花粉は2月の上旬から本格的な飛散の予想となっています。
第一の対策としてまずは花粉との接触を避け、体の中への花粉の侵入を避けることです。また、お薬は症状のごく軽い時期からの開始で、その後の症状の悪化が抑えられるとされています。すでに準備されている方もいると思いますが、毎年花粉症の症状が出る方は特に本格的な花粉飛散開始の1週間前までには、医療機関や薬局を活用してお薬の準備をしてくださいね。
【生薬と漢方その1】
漢方薬は色々な生薬を組み合わせてつくられています。これから実は身近にあるものも多い生薬に焦点をあててご紹介していきます。
「生姜(しょうきょう)」
性・味:温・辛 帰経:肺・脾・胃
代表的な漢方薬:葛根湯 六君子湯 大建中湯(乾姜)
生姜は「しょうが」という呼び方で料理や食べ物としてもおなじみですね。風邪の時の漢方薬や胃腸を元気にして体力つける漢方薬などにかなりの頻度で含まれている生薬です。少しピリッとした爽やかな独特の味を漢方薬でも感じるという方も結構いるのではないでしょうか。厳密にいうと漢方では生のままのほか、乾かしたり、蒸してさらに乾かすなど目的によって加工して使い分けがされておりなかなか奥が深かったりします。
生姜に含まれる成分は血流を改善して冷えを改善したり、吐き気や頭痛を抑えたりする効果があるとされています。体質によって合わない場合もありますが、冷えが辛い人はすりおろしてホットジンジャーにしたり、黒糖と組み合わせたりと普段から少しずつ取り入れるのも良いですね。
【季節の楽しみ】
初午(はつうま)
初午(はつうま)は毎年2月の最初の午の日を指し2025年は2月6日になります。約1300年前、五穀をつかさどる農業の神様が京都の稲荷山に降り立った日とされており、全国の稲荷神社では「初午祭」が行われます。
稲荷神社のシンボルとして有名なのが稲荷大神に仕える狐です。狐が油揚げを好むという伝説に基づいて、油揚げや油揚げに酢飯などを詰めた稲荷寿司をお供えし、その年の農作物の豊作や商売繁盛を祈ります。
ちなみに稲荷寿司は江戸時代のころからお手頃な食べ物として人々に親しまれてきたようです。地域によって俵型や三角型、そして中身も違うようなのでそれぞれ楽しむのも良いですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)