2025春分(しゅんぶん)/こよみと健康その28
2025.03.20 こよみと健康
2025春分(しゅんぶん)(2025.3.20~2025.4.03)
祝日にもなっている春分は昼と夜の長さがほぼ同じとなる日です。ここから夏至まで昼の時間が長くなっていきます。
【季節の養生】
中医学では春分は陰から陽に転じるまさに季節の変わり目の時とされています。年度が替わる時期となるため環境が変わり新生活に向けて忙しくなったり、何かと落ち着かなかったりする方も多いと思います。朝日を浴びる、昼は活動的に過ごす、夜きちんと寝るなど生活リズムを整えることを心がけましょう。
昨年も少し触れたのですが気象での「春の5K」をご存知でしょうか?
①寒暖差②花粉③強風④乾燥⑤黄砂の5つがこの時期に注意が必要なものとして注目されています。今はまさに週の中でも日によって寒暖差が激しく、スギ花粉もピークを迎えていますね。風対策としてストールやマフラーの活用、乾燥対策としてのこまめな保湿の大切です。黄砂はまだ日本にはそこまで届いてないようですが、今シーズンの大陸での観測はされているのでこれから要注意です。春の気候は変わりやすいので、その日の天気をしっかりチェックし対策していきたいですね。
【生薬と漢方その4】
漢方薬は色々な生薬を組み合わせてつくられています。これから実は身近にあるものも多い生薬に焦点をあててご紹介していきます。
「人参(にんじん)」
性・味:微温・甘・微苦 帰経:脾・肺
代表的な漢方薬:人参湯 六君子湯 補中益気湯
漢方の生薬といえばこちらを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。薬用酒や、韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)など現代でも良く活用され生活に馴染みのある生薬です。朝鮮半島が原産のため朝鮮人参、高麗人参と呼ばれるほか、江戸時代には幕府の命令で栽培されていたため御種人参という名で日本でも昔から親しまれてきました。胃腸の働きを助け、体力を補う生薬とされ、様々な方剤(漢方薬)で中心的な役割を果たしています。人参入りのドリンクや食品、サプリメントなども人気ですね。ちなみにスーパーの人参はセリ科でこちらの生薬はウコギ科となるので全く別の植物です。
【季節の楽しみ】
お花見
また桜の開花が待ち遠しくなる季節になりました。特にソメイヨシノは全国各地の公園や堤防などに一斉に咲くのでお花見を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。関医院のある栃木県小山市では3月末に開花し4月上旬には見ごろを迎える予想です。またソメイヨシノの少し後に咲く小山市原産のオモイガワザクラは市の花として市内の色々なところで見かけられるとのこと。桜以外の花も色々と咲く季節なので散歩するのも良いですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)