2025小満(しょうまん)/こよみと健康その32
2025.05.21 こよみと健康
2025小満(しょうまん)(2025.5.21~2025.6.4)
草木の緑が色濃くなっていき、あらゆる生き物が天地に満ち始める時期です。
【季節の養生】
ぐんぐんと気温が上がる日があるととともに、今年は雨の日も多く、早々に梅雨の気配も感じる気候ですね。暑さとともに高い湿度も気になる季節になりました。昨年も書きましたが、漢方では湿気は「湿邪(しつじゃ)」といい、胃腸の動きを悪くして食欲不振や下痢の原因になったり、頭や体を重だるくしたりするなどの原因とされています。
身体がだるいなとか、食欲がないなと感じたらぜひ、「湿邪」を体の外に発散させるためにも軽い運動やお風呂に入るなどして汗を適度にかくことを心がけてみてください。適度な汗をかくことは体の中のこもった熱も発散させるため熱中症対策にもなりますね。また胃腸が不調の時は無理せずおかゆなど消化の良いものを活用して胃腸を休ませましょう。旬のそら豆をはじめ豆類は胃腸を元気にする効果や、利尿効果などとむくみや体のだるさを感じる時におすすめです。
【生薬と漢方その8】
漢方薬は色々な生薬を組み合わせてつくられています。これから実は身近にあるものも多い生薬に焦点をあててご紹介していきます。
「芍薬(しゃくやく)」
性・味:微寒・苦酸 帰経:肝・脾
代表的な漢方薬:芍薬甘草湯 当帰芍薬散
芍薬というと丁度今頃の5月~6月に咲く大きな花が印象的ですが、生薬として使われるのは根の部分です。
足の攣り、こむら返りに芍薬甘草湯を試してみたという方も多いのではないでしょうか。鎮痛鎮痙作用のほか、血を補う補血作用があるとされ、胃腸関連、婦人科関連など様々な漢方薬に使用される生薬です。
なお中医学では、「白芍(びゃくしゃく)」「赤芍(せきしゃく)」と品種、加工法よって使い分けがされておりそれぞれ別の扱いの資料が多いですが、日本で使われているほとんどは「白芍(びゃくしゃく)」のようです。
【季節のできごと】
衣替え
衣替えはもともと平安時代に中国から伝わり宮中行事として平安時代から行われていた行事です。
すでに半袖など夏用の服を活用しているといった方も多いかもしれませんが、6月1日ごろを目安に冬服から夏服に切り替えるという慣例が残っている学校も多いのではないでしょうか。季節の変化、湿度や気温に合わせて衣類を切り替えることは日々を快適に過ごし健康管理にも大切なことです。また収納する衣類を洗濯したり、クリーニングしたりとまた次のシーズンに備えてのお手入れもしっかりしておきたいですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)