2025立秋(りっしゅう)/こよみと健康その37
2025.08.07 こよみと健康
2025立秋(りっしゅう)(2025.8.7~2025.8.22)
連日厳しい暑さが続きますが、暦の上では秋の始まりです。立秋以降の暑さは残暑(ざんしょ)と呼びます。ちょうどお盆休みとなる方も多いですね。
【季節の養生】
ここ数日最高気温を更新するなどかなり厳しい暑さが続いていますね。暑さによる体力消耗のほか日差しもかなり強く、紫外線による肌への負担も気になる方も多いのではないでしょうか。まずは日傘や帽子、日焼け止め、サングラスなどの事前の対策が大切です。もし日焼けして皮膚が赤くなってしまったときはまずは冷やして炎症を抑えましょう。日焼け後の肌はバリア機能が壊れている状態で、乾燥しやすくなっています。低刺激の化粧水を用いるなどして保湿することが大切です。また、せっかく保湿してもすぐに水分が蒸発しやすい状況なので、乳液やクリームなどの油分で肌を守ることをお勧めします。もし赤みやほてりが続くようであれば、薬が必要なこともあるので相談してくださいね。また良い肌への回復は睡眠も大切です。睡眠中に分泌されるホルモンが紫外線で傷ついた肌を修復・保護して肌を整える作用があると言われています。
丁度これからの秋の養生としても乾燥対策が大切になります。漢方ではこれからの時期はなるべく早寝早起きをして昼は活動的な陽気を取り入れ、夜はしっかり睡眠をとり潤いとなる陰を補うことが大切とされています。連休や夏休みはつい夜更かしや生活のリズムが崩れがちになる時期ですが、健康のためにはやはり規則正しい生活が一番ですね。
【生薬と漢方その13】
漢方薬は色々な生薬を組み合わせてつくられています。実は身近にあるものも多い生薬に焦点をあててご紹介していきます。
「石膏(せっこう)」
性・味:大寒・辛甘 帰経:肺胃
代表的な漢方薬:桔梗石膏湯 麻杏甘石湯 白虎湯
石膏は含硫酸カルシウムの鉱物で、石膏ボードやギブスとしての方が馴染みありますが、なんと生薬の1つとして様々な漢方薬に活用されています。どんなものでも飲み薬に試してみた先人たちの凄さを感じますね。
石膏の特徴は、熱を冷ます作用が強い「大寒」と分類されるところです。熱を冷ます作用や喉の渇きを和らげる作用、また炎症を抑える作用があるとされ、風邪で熱や喉の痛み、咳など症状があるときの漢方薬や、熱やほてりで汗をかき、口が乾くなどまさに熱中症のような症状の際に使用する白虎湯などに含まれています。
ちなみに昨年も触れましたが西瓜(スイカ)は「天然の白虎湯」と言われ、夏の暑さによるほてりや熱、口の渇きをやわらげ体を潤す作用があるほか、むくみなどの余分な水分は取り除く作用があると言われています。夏の風物詩は暑いこの時期の体調を整えるのにもぴったりなのでぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
【季節のできごと】
お盆(おぼん)
お盆は日本の夏に先祖の霊を家に迎えて供養して過ごし、送り出す行事のことです。地域によって変わることがありますが、一般的には8月13日が迎え盆、14日15日が中日、16日が送り盆となります。8月11日が山の日の祝日となり、前後と合わせて長期連休となる方も多いのではないでしょうか。
家族や親せきで集まったり、盆踊りや花火大会などのイベントを楽しんだりと夏の思い出ができやすい時期でもありますね。帰省ラッシュや混雑などが起きやすいシーズンですが、残暑もかなり厳しいので暑さや日差し対策なども大切です。お出かけのタイミングをずらしたり家でのんびりしたりそれぞれに合った過ごし方ができると良いですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)