2025秋分(しゅうぶん)/こよみと健康その40
2025.09.23 こよみと健康
2025秋分(しゅうぶん)(2025.9.23~2025.10.7)
昼と夜の長さがほぼ同じになる時節です。秋のお彼岸でお墓参りに行ったり、お出かけしたりした方も多いのではないでしょうか。
【季節の養生】
日中の暑さや台風や線状降水帯など天気の急激な変化はまだまだ気になりますが、気持ちよい風を感じる日も多くなりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、じめじめとした空気からからっとした心地よい空気を感じる季節ですね。朝晩の寒暖差もぐっと激しくなっているので、これからの時期はカーディガンやストールなどが重宝しそうです。
秋分となると秋も後半となり、乾燥対策の中でも前半の「温燥(おんそう)」から後半の「涼燥(りょうそう)」に対しての対応が大切となってきます。「涼燥」は寒さと乾燥によって、肌や粘膜などに負担をかけ、肌の乾燥やかゆみ、ドライアイ、便秘などの要因になると考えられています。また秋は五臓六腑の中の「肺」に関連する季節と言われており、喘息や咳、鼻炎などの症状も要注意です。
乾燥の季節から身体の潤いを守るためにも秋に旬とされる梨やブドウなどの果物、栗やイモ類、キノコなどはとてもお勧めです。これから夜が長くなりますが、しっかりと睡眠をとるのも大事ですね。また、それぞれの体質があるので気になる症状があれば早めに受診して適切な治療で対応するも重要な養生です。
【生薬と漢方その16】
漢方薬は色々な生薬を組み合わせてつくられています。実は身近にあるものも多い生薬に焦点をあててご紹介していきます。
「杏仁(きょうにん)」
性・味:微温・苦辛 帰経:肺大腸
代表的な漢方薬:麻黄湯 麻杏甘石湯 潤腸湯
杏仁はホンアンズ、アンズの種子です。咳が辛いときの風邪薬や便秘に対しての漢方薬に良く使用されている生薬です。
杏仁といえば杏仁豆腐(あんにんどうふ)の呼び方の方で馴染みがあるという方が多いのではないでしょうか。中華料理のデザートの定番ですね。薬膳として長引く咳や、便秘などこの時期のトラブル対応の一つとして活用するのもおすすめです。
【季節のできごと】
中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)
「中秋(ちゅうしゅう)の名月」は旧暦の8月15日の月を指し、特に美しいとされる月を楽しむ行事で2025年は10月6日です。月見団子やススキを飾ったり、月のなかで餅つきをしているウサギを探したりと昔から親しまれ、秋の収穫を祈願し祝う行事でもあります。現代では様々なお店で月見商品が用意され、また少し変わった形でこの時期の風物詩になっていますね。ちなみに「十五夜(じゅうごや)」は、「新月の日を1日とした時の15日目の夜」という意味で29~30日に1回のほぼ満月になる日という意味です。今年もきれいな月を見上げて楽しめると良いですね。
(薬剤師・国際中医専門員 國兼)